本章以降の各章では, SML#で導入されたStandard MLの拡張機能を例を用いて説明します.
まず本章では,レコード多相性を基礎としたMLでのレコードを用いたプ ログラミングを学びます. レコード多相性は,特別な付加機能ではなく,MLの原則「式は型が正し い限り自由に組み合わせることができる」に従ってレコードを含むプログラミ ングを行う上での基本機能です. Standard MLにはこの機能が欠けているため,レコードの特性を生かし たMLスタイルのプログラムが書けませんでした. この理由から,本書では,レコードの説明を遅延していました. まず,レコードの基礎から学びましょう.