プログラミング言語SML#解説 4.1.0版
5 SML#のインストール

5.1 動作環境

II部では,SML#でプログラミングを マスターするためのチュートリアルを提供します. まずはSML#コンパイラをインストールし, SML#プログラミング環境を整えましょう.

SML#4.1.0版は以下のプラットフォームで動作します.

  • Linux(amd64(x86_64)版)

  • macOS(10.15以降)

  • Windows 10,Windows 11(Windows Subsystem for Linuxを利用)

また,SML#のコンパイルと実行には以下のサードパーティ製 ソフトウェアが必要です.

  • MassiveThreads 1.02

  • GNU Multiple Precision Arithmetic Library (GMP) ライブラリ

  • LLVM(7.1.0から19.1まで.新しいものが望ましい)

MassiveThreadsはBSDスタイルライセンスの下で配布されている フリーソフトウェアです. GMPはLGPL(GNU Lesser General Public License)の下で配布されている フリーソフトウェアです. LLVMは例外条項付きのApache License version 2の下で配布されている フリーソフトウェアです.

LLVMはバージョン7.1.0以降のできるだけ新しいものをご用意ください. LLVM 19.1までのバージョンでコンパイルと動作を確認済です. 7より前のLLVMではSML#をビルドすることができません.

これらのソフトウェアは全て, SML#コンパイラのビルドや実行に必要です. 以下の点に注意してください.

  • SML#コンパイラのビルドには,これら全てのライブラリと optllc,およびllvm-asコマンドが使用されます. SML#コンパイラコマンドにはMassiveThreadsおよびGMP ライブラリがリンクされます. LLVMのライブラリはリンクされません.

  • インストール後のSML#コンパイラコマンドは, コード生成のためにoptllcllvm-as,および llvm-disコマンドを使用します.

  • SML#コンパイラが生成したすべての実行形式ファイルには, MassiveThreadsおよびGMPライブラリがリンクされます (これらのライブラリの機能を使用していなくても,これらのライブラリが リンクされます. この点は将来改善する予定です).

これらのライブラリおよびコマンドは, SML#の配布パッケージには含まれません. SML#コンパイラをインストールするユーザは, これらのライブラリを別途インストールする必要があります. 多くの場合,OSのパッケージ管理システムなどで簡単に導入できるはずです.

以上の環境があれば,SML#は,簡単な手順でインストールできます. 各OS毎のインストール処理の詳細は以下の各節のとおりです.