第III部では,言語,ライブラリ,smlsharpコマンド,システム及び外部インターフェイスを含むSML#のシ
ステム仕様を定義する.
第I部で述べた通り,SML#はThe Definition
of Standard ML[5]と後方互換性のある言語である.
The Definition of Standard MLには語彙と文法の定義に加え,静的意
味(型チェック仕様)および動的意味(評価の仕方)が意味関係を導く導出シス
テムとして定義されている.
しかし,SML#は,それ自身で完結した謂わば閉じた系である
Standard MLと異なりCとの直接連携,SQLのシームレスな統合等を含むオープン
な系であり,これらの機能を含む形式的かつユーザの理解に貢献するような簡潔
な定義手法は未だ確立されていない.
そこで,本参照マニュアルでは,言語の型の型の性質と意味を,必要に
応じて,日本語による注釈として与えることにする.