プログラミング言語SML#解説 4.0.0版
II チュートリアル

Chapter 13 SML#の拡張機能:動的型付け機構とJSONの型付き操作

ネットワーク通信やファイル入出力など,データを プログラムの外部とやりとりしたりするときには, データをある形式の文字列に変換します. 例えば,JSONは,今日のインターネットで広く普及している データ形式のひとつです. 文字列に変換されたデータは,MLのデータとは異なり, 型の制約がありません. そのため, 文字列に変換されたデータを扱おうとすると,データ構造に合った型を付けられない(例えば,レコード構造を持っている にもかかわらずレコード型を付けられない)ことがあります. SML#の動的型付け機構は, 文字列化データなど動的に構築された値と, 静的に型付けされたMLの値とを相互変換する機能を提供します. SML#はさらに,この機構を通じて,JSONが表現するデータ 構造にMLのレコード型に近い型を与え,静的に型付けされたJSON操作 プリミティブを提供します. 本章では,その利用方法を学びます.